包装材「経木」を地産アカマツで やまとわ

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「経木」を削り出す機械を調整するやまとわの中村博社長

日本の伝統的な包装材である「経木」。木製品の製造、販売などを手掛ける「やまとわ」(伊那市)が、地元産のアカマツを使った経木の商品化を目指している。1年ほど前に専用の機械を導入して準備を進め、来年初めにも販売を始める見通しとなった。森林資源の活用が大きな課題となる中、地域産材の新たな活用方法として期待されるほか、地球規模の問題となっているプラスチックごみの削減にもつながる取り組みとして注目される。

経木は木を紙のように薄く削ったもので、食品の包装に用いる。肉やおにぎりを包んだり、弁当の折り箱や菓子箱に使われたりする。

45センチほどの長さに切られたアカマツの丸太を縦横12センチの角材に加工。機械にセットしスイッチを押すと前後にスライドし、薄くスライスされた経木が出てくる。厚さは0・18ミリほど。遠心分離式の脱水機で水分を飛ばし、乾燥させれば完成だ。

やまとわ社長の中村博さん(50)は地域産材の中でも特に豊富なアカマツに着目。伐採の時期を迎えているが、需要がなく、松くい虫の被害も深刻化する中で、「先人たちが育てた木を血税を使って捨てている」という現状に心を痛めていた。

地元の伊那市では森林資源を生かしたまちづくりを進めるため、「50年の森林ビジョン」を策定。中村さんはその推進メンバーも務めており、数年前に白鳥孝市長から経木の商品化について持ち掛けられたことがきっかけで検討を始めた。

経木を削り出す機械は長野市信州新町の所有者から譲り受けた。50年以上前の1967年に作られたもので、現在は製造されておらず、メーカーも既に廃業。部品を取るために残されていた。

電気でモーターを回して動かす仕組みで、中村さんは欠損している部品を工作機械のメーカーに頼んで作ってもらったり、趣味の車いじりの経験を生かしたりして修復。引退して何年もたち、油汚れなども付着していたことから、いったん解体してきれいにし、一から組み上げた。

「経木は家具のように長く使ってもらう調度品とは異なり、消耗品。現在の生産者は全国でも10軒に満たず、一定の需要がある」と中村さん。「環境に優しく、世界的にもプラスチックごみを減らしていこうという流れがある。地元産アカマツの利用促進やブランド化につながれば」と話している。

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