坂本養川の紙芝居 八ケ岳総合博物館が制作

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出来上がった坂本養川の紙芝居(通常版)と、作画した両角綾佳さん。13日に小学生にお披露目される

茅野市八ケ岳総合博物館は、江戸時代に諏訪地方の堰(用水路)造りを計画、開削した坂本養川(1736~1809年)の紙芝居を作った。大小2種類制作し、一般に貸し出す。同館は「とっつきやすい内容で子どもから大人まで楽しめる。見聞きして改めて郷土の偉人・養川の偉業に触れてもらえれば」とする。

茅野市生まれの養川が計画した同市の滝之湯堰と大河原堰が世界かんがい施設遺産に登録(2016年)されたことや、同博物館が昨年開館30周年を迎えたことに加え、館内に養川コーナーが常設されていることなどから初めて作った。

紙芝居「坂本養川」は、「昔むかし 今から250年前の 江戸時代中頃の話です」の出だしで始まる。表紙を除く15場面(15枚)で物語を構成。水がなく干上がった田んぼや、同じ構図でその田んぼに水が引かれ、人々が田植えをする場面などが載る。

絵は京都造形芸術大学美術工芸学科日本画コース出身の両角綾佳さん(22)=茅野市=が担当し、半年ほどかけて水彩絵の具で仕上げた。両角さんは地元の養川のことはよく知っていたといい、養川は「信念が何十年も変わらなかった人」と話す。

市尖石縄文考古館前の堰脇に建つブロンズ像を参考にして養川の姿を描いた。若かりしころや、白いひげをたくわえたころなど、その時々の養川の年齢も意識。当時の人たちの服装や工事の道具なども時代考証して制作した。

物語は博物館職員が考えた。養川が堰の勉強のため江戸へ行ったり、計画を願う手紙を殿様に6回出したあと、やっと許可が下りて50歳のとき滝之湯堰の工事が始まったことや、「うちの川の水を盗む」と養川の暗殺計画があったことも紹介。「自分の財産を投げうってお金にかえ、15本以上の堰を造ったそうです」とする。

そして「養川が考えたくりこしせぎは今も田を潤し 皆が大切にしています」―と結ぶ。

紙芝居は通常版(B4サイズ)と大型版(A2サイズ)が1セットずつあり、いずれも上演時間は約10分。13日に「諏訪めぐり」で来館する小学生にお披露目したあと、普通版は市図書館、大型版は博物館に置き、それぞれ貸し出す計画だ。

養川は以前、小学校の教科書「社会 新しい3・4年 下」(東京書籍)に取り上げられたが、今は載らないという。博物館は、養川は「もともとあった堰を整備、新設して水回りの利便性を高め、米の収穫量を上げた人で、今の堰を築いた人でもある」と話し、「諏訪地方一円を視野に入れ堰を計画した」とする。

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