想像と記憶から描く風景 五味和人さん初個展

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人生で初の個展を開いている五味和人さん=茅野市湖東のギャラリー・アノニム

茅野市湖東新井のギャラリー・アノニムで、幼少期から貧しい家庭環境にありながらも好きな絵を描き続けた五味和人さん(72)=諏訪市=の初個展「想像の世界」が開かれている。記憶に残る昭和の一場面や想像から生まれた外国の風景など、水彩で丁寧に描かれた物語のような作品大小約30点が並ぶ。16日まで。

五味さんは7人兄弟の6番目。苦しい生活から脱出するため義務教育後すぐに働いた。画家だった父親に反抗し絵は描くまいと思ったが、美術雑誌で見た村上肥出夫の作品に感銘を受けて描くようになり、生計を立てるため土産物を制作販売しながら独学で勉強したという。

作品の多くは個展に向けて描いた新作。下諏訪で小学生の頃に見た高校野球の試合、野原が広がる諏訪湖畔で地元企業の若者が躍るフォークダンスの光景、「ペルシャの市場にて」の音楽を絵にした異国の風景、建設労働の経験から生まれたバベルの塔│。1点1点に時代背景や思い入れを書いた解説文が添えられ、鑑賞の楽しさが広がる。日本の概念芸術家故松澤宥さんがデザインしたという、今は無き諏訪湖畔の公園の絵も必見だ。

五味さんは数年前に大病を患い、リハビリしながら自分の幼年時代を書き残そうとしている。「恥ずかしい作品だが、同年代には懐かしさもあると思う。気軽に、楽しく見てもらいたい」と話す。

入場無料。正午~午後5時。水、木曜定休。

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