心強い支援活動 医師や看護師ら台風被災地に

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避難所でけが人の手当てをする諏訪中央病院の斎藤穣医師(中)

台風19号による水害に見舞われた被災地には、各地から医療スタッフが駆け付け、避難所の支援に当たっている。諏訪中央病院(茅野市)では、国際医療NGO「AMDA(アムダ)」=本部・岡山市=の要請を受け、千曲川の堤防決壊で浸水被害が出た長野市内に医師や看護師らを派遣。避難所で健康管理やけが人の手当て、衛生対策を支援する。診察や処置を受けた住民は「本当に心強い」などと感謝の言葉を口にした。

同病院は、アムダと災害時の職員派遣の協定を今年2月に締結した。台風19号による被害を受けて県内に入ったアムダから要請があり、15日から医師らの他、現場活動の調整役として臨床工学技士を派遣。決壊で浸水した地域近くに設けられ、避難者数が市内で最も多い豊野西小学校の避難所で、アムダの一員として他のメンバーと活動する。

「先生ちょっと診てくれんか」。17日、浸水した家屋の片付け中に右手の親指に針が刺さり、傷を負った77歳男性=同市豊野=が声を掛けた。応対した同病院の内科医斎藤穣医師(40)が、処置を施して「これで大丈夫。汚れた物に触ったらよく手洗いしてください」とアドバイスすると、男性は安堵した様子で笑みを見せた。

濁流により、家に保管していた薬が流されてしまった人も多い。避難所生活を送る同市赤沼の桑原昭さん(90)もその1人で、高血圧などの持病で薬を服用。斎藤医師に相談すると、避難所では薬を処方できないため、近くの医療施設を受診できるように手はずを整えてくれたといい、桑原さんは「ホッとした。助かります」と言って病院へ向かった。

避難所での支援活動は、血圧や血糖値などの健康チェック、感染症への対策など多岐にわたる。「家の片付け中にけがする人が多く、風邪などの感染症リスクも減らさなければ。着替えスペースなどプライバシーの確保も大切」と指摘したのは調整役を務めた同病院の松尾昌さん(33)。避難所の課題を細かく調べ、片付けから避難所へ戻ってくる住民の衣類の泥落としや、消毒、マスク着用の徹底など必要な対策を講じていた。

同病院は災害時の医療スタッフの派遣に力を入れる。東日本大震災や熊本地震でも現地に入った看護師の宮澤英典さん(48)は、市内の惨状を見て「津波の被災地に似ていて、喪失感はとても大きいはず」と思いやる。避難生活の長期化も懸念していて「メンタルケアにも配慮しながら、2次的な問題が生じないように医療機関が支援を続けることが必要」と話していた。

同病院では当面、スタッフを交代しながら派遣を継続する方針という。

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