命の最期に寄り添う 看取りステーションが開所

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看取りステーションを開設した岡さん(右)と釋さん(中)。左は茅野市にある日本看取り士会信州研修所の原房子さん

一般社団法人日本看取り士会の看取り士を派遣し、命の最期に寄り添う活動拠点「看取りステーション八ケ岳」(岡亜佐子ステーション長)が、富士見町境の民家図書室「高森文庫」施設内に開所した。看取りステーションには、身寄りのない人が暮らす最期の家「庵しんぬうら」(釋秀靜代表)を併設。死に直面する本人や家族を支える取り組みを通して「愛されていると感じて旅立てる社会を取り戻したい」としている。

日本看取り士会は2012年に設立。柴田久美子会長が02年に島根県の離島に看取りの家を開設し、本人の望む最期に寄り添い、抱きしめて看取る活動を始めたのがきっかけ。看取り文化の普及を図る講演や講座、看取り士の養成、看取り士による相談や派遣サービスを行っている。

岡さんは甲府市出身。絵が好きだった父と訪れた八ケ岳山麓に「いつか住みたい」と願っていた。「家に帰りたい」と話していた父が1992年に病院で亡くなり、父の最期を受け止められない日々を過ごしてきた。

介護や冠婚葬祭の現場で働き、シングルマザーとして子育てに奔走する中、葬儀社の友人を通じて看取り士を知った。看取り士は介護と葬儀をつなぐ大切な存在だと感じ、「私にできることはこれだ」と確信した。2015年に看取り士の認定を受けた。

介護福祉士として看取りの家で柴田会長と一緒に働いた後、浄土真宗大谷派の僧侶となり「看取り坊主」として活動を続ける釋さんの協力を得て、県道茅野北杜韮崎線の高森交差点近くにステーションを開設。10月12日に開所式を行い、榎木孝明さん主演の映画「みとりし」も上映した。

看取り士の派遣は契約料が月額2万円、1時間の初回相談料は1万円(契約後は8000円)など。無償の見守りボランティア「エンゼルチーム」も利用できる。庵しんぬうらの定員は最大2人。終末期の居場所として提供し、生活費のみで「最期まで一緒にいます」と語る。

岡さん(54)は「死は、旅立つ人が生きてきたエネルギーの全てを見送る人に渡し、受け取ることのできる荘厳な場。地域の皆さまと力を合わせて不安な最期の時のお手伝いをしたい。家族や社会に優しさを取り戻せたら」と話す。釋さん(65)は「日本には豊かな死の文化があり、豊かな生があった。その文化を回復する一歩を踏み出したい」と意気込みを語った。

問い合わせは、看取りステーション八ケ岳(電話0266・78・8450)へ。

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