2019年11月14日付

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ちまたにはカタカナの用語があふれるが、「ボランティア」という言葉ほど世代を超えて理解され、定着しているものはないだろう。ただ、実践となると途端に自身の無知無力が心もとなく、及び腰になりがちだ▼その点、若者の行動力には目を見張る。富士見町の境小学校は、商工会女性部が台風被災地支援のためにタオルを集めると知り、いち早く行動を起こした。週末、6年生が全校に手紙で協力を求めると明くる月曜日には段ボール箱を積み上げるほどの数が集まった▼児童たちは昨秋の台風の際、自宅も学校も停電した中での生活を余儀なくされた。明かりもなく、手洗いの水も欠く不便を味わったが「北の被災地の大変さに比べたら取るに足らない。これぐらいのことしかできないけれど」と肩をすくめる▼町商工会の青年部員は被災地へ駆けつけ、復旧作業に汗した。部員の多くが初めての体験で、泥水をかぶった出荷間近のキノコをトラックの荷台に山と積んで廃棄した。同じ経営者として断腸の思いが胸に迫り、言葉に詰まった。参加した小林圭さんは「人の手でしかできないことがたくさんある」と痛感したそうだ▼顔も知らぬ誰かにも、ためらいなく支援の手を伸べる若者たちの姿には背を押される思いがする。実際に現地での作業はかなわなくとも、何ができるかを考えることからボランティアの一歩は始まるのではないだろうか。

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