震災への思い風化させず 濱さんが母の歌集

LINEで送る
Pocket

母の思いを受け歌集「東北大震災余燼」を出版した濱恭子さん

福島県相馬市で生まれ、東日本大震災後に茅野市中河原の長女の濱恭子さんの元に身を寄せ、原発事故に心を痛めつつ一昨年98歳で亡くなるまで短歌をたしなんだ屋代ツルヨさんの自筆の作品を収めた歌集「東北大震災余燼」が、濱さんによって発行された。

濱さんは母の遺品の中に題字を含む原稿を見つけ、知人で茅野市内のかふぇ天香で開いている「誰でも作家教室」主宰の住吉克明さんに相談。「震災が風化しつつある今だからこそ重みのある上梓」と後押しされ、教室に通って編集し、天香文庫No.35として自費出版にこぎ着けた。

屋代さんは、高等女学校時代に、教育者で歌人でもある下田歌子校長の薫陶を受け作歌を開始。教諭として長く務めた。茅野に転居後は地元の「林之峰短歌会」で活動した。

歌集には、震災発生から1年間の短歌約640首を収録。「逃げ口を確保せねばと立ち上がる目にテレビ告ぐ『原子炉爆発!』と」「原発壊滅の影響受けて街も市も燈火管制戦時のごとし」―。放射能、地震、避難、被災地│などの言葉が心に重く響く。夫や娘のことを詠んだ心温まる作品も多い。

濱さんは「原稿には『歌日記』とあり出版を準備していたよう。少しばかりの親孝行。重すぎる出来事を風化させることのないように、が母の思い」と話す。B5判、113ページ。税込み1000円。問い合わせは、かふぇ天香(電話0266・55・6088)へ。

おすすめ情報

PAGE TOP