県宝の縄文土器を商品化 井戸尻考古館

LINEで送る
Pocket

県宝の水煙渦巻文深鉢を商品化

県宝の水煙渦巻文深鉢を商品化

富士見町教育委員会が所有する県宝の縄文土器、水煙渦巻文深鉢が置物、酒器として商品化された。産学官が連携して取り組み、3Dスキャン、3Dプリンタ技術を使って土器の形状や文様を精緻に再現した。土器を展示する井戸尻考古館で9日から販売が始まった。同館は「貴重な文化財に親しむきっかけになれば」と期待している。

土器は1960年に同館敷地の曽利遺跡から出土し高さ43センチ。口縁から渦巻文の造形が対になって立ち上がり、10円はがきの料額印面の意匠に採用されるなど秀逸な姿が国内外で注目を集めた。

商品化は、諏訪東京理科大の市川純章教授と県工業技術総合センターの小林耕治研究員が土器の精密レプリカを3Dスキャンしデータ処理。データは3Dプリンタで造形化され、レーザー彫刻などを手掛ける「You―its」代表の小栃洞(ことちぼら)和善さん(55)=下諏訪町=と地域資源の活用などに取り組む「M―FROG」代表の冨田英男さん(48)=茅野市=が手作業で商品化した。

小栃洞さんの作品は土器を酒器にし漆塗り。内側が朱塗りと金箔の2種類あり、高さは10・5センチ。冨田さんの作品は高さ6・5センチで置物として飾ることができる。白や色を塗った数種類があり、アクセサリーなど自由な使い方もできる。いずれも樹脂製。

商品化は同館で土器を見た小栃洞さんが「酒好きなので造形を酒器にできないか」と考えたのがきっかけ。冨田さん、市川教授と話をする中で最新技術を使って本物通りに商品化する構想が動き出した。

作品には土器の造形をさまざまな角度から見れる良さも。小栃洞さんは「酒器としては飲みづらいが、使ってもらえる良さがある」。冨田さんは「土器も縄文の人々の生活で使われた。気軽に手にとって親しんでほしい」と話す。同館の樋口誠司館長は「産学官で協力し成果を生むことができた。手に取った人が郷土を知る手掛かりになればうれしい」と話していた。

問い合わせは同考古館(電話0266・65・3572)へ。

おすすめ情報

PAGE TOP