2016年07月12日付

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車を運転中、危険を感じてヒヤリとしたり、ハッとすることがある。一歩間違えば重大な事故になっていたかもしれない。そんなミスを「ヒヤリ・ハット」という。誰でも経験があろう▼一つの大きな事故の背景には29の軽微な事故があり、その背後にはさらに300のヒヤリ・ハットがあるとされる。「ハインリッヒの法則」と呼ばれる。事故を防ぐためにはヒヤリ・ハットの段階で対処していくことが重要とされるが、ミスを完全になくすのは難しい▼それらを補完するのが安全技術だろう。自動車メーカーは開発にしのぎを削っている。自分の車にも自動ブレーキシステムが備わる。現在は安全運転のための補助的な機能だが、その先には人の操作を必要としない自動運転がある▼若いころは好んでマニュアル車に乗った。車を操る楽しさを重視したからだ。そんなアナログ人間に自動運転なんて想像できないが、事故防止につながるのなら歓迎したい。その一方で人は安全が高まると低下した分のリスクを埋め合わすような行動をとってしまうのだという。「リスク補償」というそうだ(芳賀繁著「事故がなくならない理由」)▼米国では自動運転機能のある車で死亡事故が起きた。原因は分からないが、運転者がDVDを見ていたという報道もある。せっかくの先進技術も油断や過信によって相殺してしまっては元も子もない。肝に銘じるべきだろう。

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