国宝「寒山図」を初公開 サンリツ服部美術館

LINEで送る
Pocket

セイコーエプソン元社長の故服部一郎さんが収集した美術品を所蔵する諏訪市のサンリツ服部美術館は、服部一郎没後30年特別企画展「禅宗と茶の湯の美」の前期を開いている。11~18世紀の茶道具や書画などを紹介し、日本に根付いた禅宗文化と茶の湯への発展をたどる内容。前期展示には、南北朝時代に活躍した画家・可翁(かおう)の筆による国宝の水墨画「寒山図(かんさんず)」を初めて一般公開している。

可翁は日本の初期水墨画を代表する画家として知られる。最高傑作の一つとされる「寒山図」は、中国・唐時代、天台山清国寺にいたとされる高僧・寒山が描かれている。「顔や足が細い筆で写実的に描かれるのに対して、髪の毛や衣服は筆の濃淡や太さを巧みに操って材質、形質をうまく表現し、寒山の存在感を一層引き立たせている」と学芸員の藤生明日美さん。

同館は、2010年から3年かけて「寒山図」を修復。絵が描かれている「本紙」の汚れを取り除いたほか、表具も痛んでいたため全て解体した。服部一郎没後30年の節目に併せて公開することになった。

展示会ではこのほか、禅の教えや禅僧の交流がうかがえる書、鎌倉時代から室町時代にかけて中国から輸入された絵画や陶磁器、茶の湯が形成されはじめた室町時代後期から江戸時代にかけて制作された茶道具などを3章に分けて紹介している。

服部聡子館長は「国宝の修復には苦労もあったが、人の手によって守られ、受け継がれてきた宝を公開できてうれしい。ぜひ多くの人に見てほしい」と話している。

会期は前期が8月2日まで。後期は8月4日~9月4日。一部作品を入れ替え、国宝の「白楽茶碗 銘 不二山」も特別出品する。

開館時間は午前9時30分~午後4時30分。入館料大人1100円、小中学生700円。問い合わせは同館(電話0266・57・3311)へ。

おすすめ情報

PAGE TOP