2016年07月13日付

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「長ぐつ先生」こと建石繁明さん=伊那市=の最近のフィールドノートは、胸ポケットに入るぐらいの小さな手帳だ。野山や家の周りで見つけた昆虫や動植物の記録だけでなく、自身の行動記録としても活用していて、その日行ったところや会った人のことも書き記しているという▼のぞかせていただくと、赤や黒のペンで書いたと思われる小さな文字でびっしり埋まっていた。ペンは手近にあるものを使っているらしい。その中には書いた字を消すことができる、いわゆる「消せるボールペン」もあった。ある日、書いたはずの文字が一部で消えていた。積み重ねた観察記録を消失させてしまったと大慌てだったそうだ▼原因は熱。この時期、密閉された車の中は高温になる。置いてあった手帳の文字も熱にさらされた。幸い、冷凍したら消えていた文字が浮かび上がったそうだが、インクが消えるとはどういうメカニズムなのか、メーカーに問い合わせて調べるあたりは研究者らしい▼本紙上伊那版の連載「長ぐつ先生のフィールドノート」が来月300回になるのに合わせた連載300回記念展が、伊那市荒井の伊那図書館1階ギャラリーで始まった。写真やパネル、標本を見るだけでなく、拡大鏡や顕微鏡を使った観察も体験できる▼何よりも、長ぐつ先生の頭の中のフィールドノートに、びっしりと詰まっている話を聞くのが楽しい。展示は17日まで。

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