2019年12月30日付

LINEで送る
Pocket

郷土の味として並べられたおやきは、この季節なら定番の「野沢菜」「カボチャ」、生徒らが独自に考えた「ジビエ」「リンゴとサツマイモ」だった▼伊那中学校の総合学習発表会の3学年企画「食フェス」は、同校の学びの柱「ふるさと伊那谷学」を食の観点から深めた。3年1組は4種のおやきを後輩や保護者らに振る舞った。おやきはどれも好評で、特に「リンゴとサツマイモ」は試食した人たちをうならせた▼試作前に県内各地のおやきを調べた生徒たち。歴史も作り方も違い、上伊那地域では米粉を使ったおやきが主流だと知った。そのうえで絞り込んだ4種だった。具材もいろいろ試したそうだ。チョコレートを包んでみたがおやきには合わなかったという▼地域独特の食文化は、例えば伝統野菜と称される特徴ある地方品種を、その食べ方とともに大切に守ってきた人たちがいたから今に伝わっている。「なすあん」が人気の北信のおやきも、緻密で硬く、煮崩れしない丸ナスがあってこそのものだ。そして食生活が変わり、嗜好が変わっていく中で、消え、生まれてくるのも食文化だと思う▼独自に考えた自信作の隣に、「野沢菜」と「カボチャ」をあえて並べた生徒たち。理由を尋ねると「食文化として欠かせないものだと、この学習を通して分かったから」と説明してくれた。次の世代に伝わっていく郷土の味とはこういうものなんだろう。

おすすめ情報

PAGE TOP