2020年1月1日付

LINEで送る
Pocket

掃除、洗濯、煮炊き、入浴、買い物。最近では意識する人も少ないが、古くから信じられてきた正月の禁忌だ。福を払わない、縁を切らないなどさまざまな縁起を担いだものだが、家事全般に及んでいるところをみると「正月ぐらいはゆっくり」という配慮が感じられる▼おせち料理もその一つ。正月の調理や洗い物を避け、縁起物を食べることで一年の健康や平和を願う特別な料理とされてきた。現代では元日営業のスーパーで手軽におせち料理を購入でき、正月の食卓を彩る総菜の一つといったところだ▼時事通信が昨年12月に実施した年末年始休暇に関する世論調査によると、年末から1月5日まで9日間、全休になる人が36・2%だったのに対し、全く休めそうにない人が10・6%。休みは3日未満という人が約2割を占めており、正月の禁忌どころではない現状がうかがえる▼働き方改革が叫ばれる中、小売業や外食産業を中心に正月営業を見直す動きが出てきた。消費者からは賛否両論あるだろうが、そもそも元日に普段通りの利便性が必要なのか。利用する側の意識も見直す時期にきているかもしれない▼「一年の計は元旦にあり」。何事も最初に計画を立てることの大切さを説くことわざだ。価値観が多様化する時代。穏やかな正月を望まない人も多いが、今年一年についてゆっくり考える時間を持つのもまた有意義な正月といえるだろう。

おすすめ情報

PAGE TOP