2020年1月16日付

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米国サンフランシスコを代表する観光地フィッシャーマンズ・ワーフ。にぎやかな港町で30年ほど前、見慣れた服装の一団に出くわし、驚いた記憶がある。制服姿で歩く修学旅行の高校生たち。その姿に違和感を感じてのことだが、今では当たり前の風景になりつつあるようだ▼全国修学旅行研究協会の調査によると、2017年度の海外修学旅行実施率 は公立高校で10・8%、私立高校で37・7%。ここ数年は増加傾向にあり、訪問国別では台湾、シンガポール、オーストラリアが人気という▼青少年の諸外国との双方向交流を拡大しようと、観光庁は海外教育旅行の推進に向けた官民連携の協議会を設置し、普及に向けた検討に入る。対象国は主に中国。将来的な訪日旅行の拡大を視野に、若い世代の交流を図る狙いがあるそうだ▼一方で、近年日本の若者の海外離れが指摘されている。国交省のまとめだと20代の出国者数は2000年まで年間400万人を上回っていたが、17年は305万人まで低迷。人口減や経済的要因もあるだろうが、社会のグローバル化が進む中、相反する流れに感じる▼訪問先がどこであれ、大切なのは学生が海外で何を得るか。わずか数日の旅行で国際感覚を身に付けろというのは過剰な期待かもしれない。言語や習慣の異なる国での生活自体が得難い経験。日本では味わえない不自由さからも多くを学んでもらいたい。

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