2020年1月28日付

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スクリーンに映し出されたリンゴの木は、一カ所に四つも五つも実がなっていた。違和感があった。ネパール・マルファ村のリンゴ畑の写真だった。海外農学実習でネパールを訪問した信州大学農学部の学生が上伊那農業高校で行った実習報告を聞いた▼マルファ村のリンゴ農家の栽培管理に着目した植物資源科学コース3年の宮地ひかるさんは、1個の果実を選んで残し、大きく育てる日本のリンゴ栽培との違いをこう考察した。「マルファ村では摘果をしない。花が咲き、ついただけ実らせる。でも食べてみるとすごくおいしい。ネパールにはこの栽培方法が合っていると思った」と▼同じ実習に参加した男子学生はリンゴの密植に驚いた。大学のホームページに公開されたリポートには「日本の農業のやり方が正解であるかのようなバイアスのかかった目で見ると愚行のようにも感じられるが、丸かじりに適したサイズ感であり、用途が違うために選択された栽培法であった」とまとめていた▼放課後の教室には、海外に関心を抱く高校生が集まっていた。3月に研修でネパールを訪ねる生徒たちの姿もあった。ネパールと日本との違いや共通点を見つけたい―と意欲的に事前学習に励む生徒たちだ。報告会の聴講は国際理解のヒントになったことだろう▼学生のリポートの続きには、「偏見を持った自分の方が恥ずべきであると気付かされた」とあった。

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