2020年01月31日付

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気が付いたら、2週間で言葉を交わしたのは宅急便の配達員とコンビニの店員くらいだった―。2歳の長男の手を引く30代前半の専業主婦。夫の転勤で3年前に首都圏から上伊那地方に移り住んだ。夫は出張が多く家を空けがちで、育児に関わる時間は限られている▼夫婦の両親はともに遠くに暮らし、年に1度顔を合わせる程度。人見知りのため、悩みを話せるママ友もなかなかできない。長男と2人の生活も楽しいけれど、言うことを聞いてくれない時やイライラした時には、いつかこの子に手を上げてしまうのではと不安になる▼取材の際、雑談で打ち明けてくれた話だ。核家族化や生活、価値観の多様化などから、こうして育児を一人で抱え込んでしまう母親は増えているのだろう。母親の孤独は育児不安を募らせ、過干渉や放置、虐待などの要因になるとされる▼子育て世代の母親を支援する駒ケ根市の任意団体「つなぐHUB」の代表宮澤富士子さんは、「ママを抱き締めてあげて」と呼び掛ける。まずは頑張っている姿を家族や社会が認めることで母親の自己肯定感は向上し、社会的なつながりや虐待防止にも結び付くと考えているからだ▼「HUB」は虐待防止を目的に、この春から母親の社会参加や起業などの支援を強化するという。母親の孤独と虐待は身近な問題でもある。こうした活動が社会の理解や支援につながることを期待したい。

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