県高校総体が中止 新型コロナ受け初

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臨時常任委員会後に会見した県高体連の小林会長

県高校体育連盟(県高体連)は4月30日、ウェブ会議による臨時常任委員会を開き、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、5、6月に予定していた県高校総合体育大会と各地区総体の中止を全会一致で決めた。全国高校総体(インターハイ)と同じ1963年に始まった県総体の中止は初。秋以降に実施を予定している駅伝、ラグビー、スケート、スキーの開催可否は9月までに判断する。

県高体連は各競技専門部を中心に開催の可能性を探ってきたが、▽感染の収束が見通せない状況にある▽休校措置により十分な練習ができない中での大会実施はけがや事故が懸念される▽感染リスクを排除した安全・安心な大会運営が困難-などを理由に中止を決めた。全国高体連が26日にインターハイの中止を決めたことも踏まえて判断した。

県高体連事務局の長野高校で会見した小林武広会長(長野東校長)は「休校状態で部活動の再開が見通せない中、仮に再開しても十分な練習を行った上で大会に臨むのは困難と判断した。子どもたちはかわいそうだが、そう判断せざるを得ないのが現状」と説明。全国高体連から検討依頼を受けた代替大会などの開催については今後の状況を見ながら判断するが「7月までが(開催時期の)限度だろう。それまでに安全な大会が開催できるかというと、相当厳しい」との見解を示した。

県総体は5月16日のラグビー春季大会を皮切りに、水泳の6月28日まで32競技を実施する計画だった。6月13日に8競技を予定していた定時制通信制大会も中止する。

■選手や指導者ら困惑と落胆

運動系の部活動に励む高校3年生にとって、集大成となる夏の舞台がすべて奪われた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、全国総体(インターハイ)に続いて県総体、各地区総体も中止が決定。感染収束の兆しが見えない状況下だけに覚悟を決めていた関係者も多いが、上伊那地方の選手や指導者らの間には困惑と落胆が広がった。

「中止はやむを得ないと思う。ただ力のあるチームだったので、成果を出す機会がなくなってしまったのは寂しい」。伊那弥生男子ソフトボール部の中澤祐太監督は複雑な思いを吐露する。現部員はマネジャーを含めて16人で、このうち3年生は9人。2年ぶりに出場権を得ていた今春の全国選抜大会に続いてインターハイも中止となり、県総体が残された目標になっていた。金澤怜央主将は「予想はしていたが、大会に向けて練習をしてきたので悔しい」と素直な思いを口にした。

昨年の南信総体で男女そろって団体を制した赤穂バドミントン部の奥原未来監督は「人命には代えられない」と冷静に受け止める。ただ男子8人、女子5人の3年生は練習の成果を披露できないまま引退を迎えるため、「ずっと頑張っていたのを見てきたので…。3年生のことを思うと残念で仕方ない」と声を落とした。

ソフトテニス女子団体で県総体3連覇を目指していた上伊那農。昨秋の県新人大会を制すなど、現チームにも手応えをつかんでいた。北原俊文監督は「(中止は)仕方ないことだが、残念な気持ちでいっぱい。特に3年生は先輩たちの背中を追いかけて、すごく頑張ってきた」と選手の心情を思いやった。一方で「世の中にはうまくいかないこともある。それを乗り越えて社会に出られるようにサポートしていきたい」と、プレーの場を失った選手に寄り添ったケアの必要性を訴えた。

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