2016年07月29日付

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久しぶりに電車を利用した家人が半ばあきれ顔でつぶやいた。「最近は乗ってくる人が優先になった?」。JR上諏訪駅と伊那市駅の往復で、降りようとしている乗客がいるにもかかわらず、ホームで待っている人たちが乗り込んできた光景が少なからずあったそうだ▼スーパーで買い物をしているときなどにも、「えっ」と驚くことがある。こちらが存在していないかのように前に進み出ようとされたり、商品を取ろうとする手が目の前に伸びてきたり▼その一方で、日常の何気ない一こまに、ほのぼのとさせられる出合いもある。一見すると他人のことなどお構いなしといった印象の若者が、店舗に入ろうと開けた扉を押さえ、すぐ後から入店しようとしている人のために待っている。横断歩道を渡った子どもたちがドライバーに向かってお辞儀している▼先日は、サイレンを鳴らして交差点を通過する救急車が、停車していた車の列にマイクで「ありがとうございます」。時には生死に関わる病人やけが人の搬送なのだから、通行を妨げないのは当たり前と思っていたところに、この心遣いが何となくうれしかった▼世界各地でテロや痛ましい事件が相次いでいる。誰もが心安らぐ世の中にしていくには、お互いに自分の感情や都合、主張といったものを少し抑え、相手を尊重して思いやる日々の積み重ねしかないといったら、大げさに過ぎるだろうか。

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