子どもに里山体験を 伊那市上牧

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伊那市上牧の住民らでつくる「上牧里山づくり」(大野田文吉代表)は27日夜、里山勉強会を地区内の上牧公民館で開いた。チーフアドバイザーとして活動に関わる信州大学農学部の上原三知准教授が、研究の一環で2015年度に行ったイメージマップ調査の結果を報告。関係者約20人が聞いた。上原准教授は、子どもたちが遊びながら地域のいいところを体の中で認識していくことが大切とし、「里山のさらなる活用で今から少しずつ変えていくと、子どもたちは将来、地域に残る」と提言した。

イメージマップ調査では、高齢者が小学生だった頃を思い出して描いた当時の上牧地区の絵地図と、今の小学生が描く地図を比較。地域に対する意識やランドマーク(目印や象徴となる物)の捉え方の違いを調べた。対象は旧伊那北国民学校に通っていた高齢者17人と現在の伊那北小学校5年生(当時)45人で、二つの世代が描く上牧を分析した。

報告によると、88歳の男性の絵地図には、山や川で遊んだ体験がメモで書き込まれ、地域を活用して生き生きと子ども時代を過ごしていた様子が描かれていた。同世代の対象者が描いた地図と重ねると、学校や段丘林、神社、お堂などがランドマークとなっており、地域に対する意識は段丘の上下に広がっていた。

一方、調査の段階で里山活動をあまり体験していなかった小学生の場合、意識の中心は学校がある段丘の上で、ランドマークは自分が住んでいる家と学校という児童も目立った。上原准教授は「子どもたちの中では家から学校までが上牧のイメージで、限られた地域のイメージで上牧という場所を見ている」と解説。「子どもたちに、この地域に住んでいることの良さが十分伝わっていない。そのことで地域に対して愛着がないという気持ちにもなる」と指摘した。

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