2020年6月12日付

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朝夕の交通渋滞が戻り、町なかに活気が出てきた。自粛中の静けさも時には必要なことだと気に入ってはいたが、にぎわいの大切さを改めて感じる。これからが勝負-という意気込みが各方面から伝わってくる▼富士見町産業振興センター長の細川久さんは今を「ものづくりの様相、仕組みの大変換点」とみる。「事業者は過去の大不況を人員削減でしのいだが、人口減の今は悪手。現行維持や補償金で生き延びようとする守り姿勢の企業は早晩潰れる」と警鐘を鳴らす▼細川さんのまぶたに浮かぶのは、終戦後の諏訪で製造業を立ち上げたかつての経営者たちの姿だという。機械油で真っ黒に染まった指先。仕上げた製品を自転車の荷台にくくり付け、汗だくで納品に走り回る背中。「自分の身一つ、眼力を利かせて市場を切り開いた先人の姿勢に学ぶ時」とする▼この数カ月、企業も自治体も思いつく限りの試みに手を伸ばした。従来手法が通用しない局面での弱点が分かったし、新たな挑戦から発展が見込める光も見えた。暮らしの面では健康の大切さを痛感し、生活全般を見直す機会になった▼久々に利用受け入れを再開した富士見の子育て広場で、スタッフは「やっぱり人と触れ合うと心が健康になれる」と喜んだ。新しい生活様式への転換にあたり、今後何かと取捨選択を迫られる。何を変え、守り、伸ばすのか。ここで培った眼が役立ちそうだ。

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