2020年7月8日付

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通勤や仕事でよく通る茅野市運動公園の市道。直線の長い坂道に時々、クルミが転がっている。それは決まってわだちにある。タイヤで踏まないように、ゆっくりハンドルを切って通り過ぎる▼それが落ちているのではなく、置いてあるのだと知ったのは数年前だった。犯人はカラス。クルミ割りのカラスである。車で殻を踏みつぶして実を食べる。道路脇の生け垣に身を隠し、車が通り過ぎるとチョン、チョンと躍り出て、クルミの位置を調整する▼生きる知恵と努力には感心するが、彼の策略にはまったことは一度もない。しかし、脂質やビタミンが豊富なあの味を知った成功体験があればこそ、カラスはクルミ割りに夢中になるのではないか。茅野市には心優しい協力者がいるのかもしれない▼きのう、2カ月ぶりに運動公園の坂道を走った。上川に架かる公園大橋の修繕工事が終わり、全面通行止めが解除されたからだ。当初は今月31日までの予定だったが、激しい交通渋滞が発生したため、施工業者が休工日を削減するなどして規制解除を前倒しした。相手を思いやる対応に人類の崇高な精神を見る▼そういえばクルミ割りのカラスはどうしていただろう。勤務地の諏訪市でごみをあさるカラスににらまれた。環境の変化に適応する彼らを見ていると、不便を許容できない人類には危うさも感じる。見られているは案外、人の群れかも知れない。

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