ライチョウの中ア駒ケ岳移送 悪天候で延期

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中央アルプスへのライチョウ移送の延期を受けてケージ周辺で作業する関係者。周辺は霧で視界が悪かった=24日午前、駒ケ岳

環境省は24日、中央アルプスで国特別天然記念物のライチョウの個体群復活を目指して、26日までに実施予定だった北ア乗鞍岳から中ア駒ケ岳への野生家族の移送を延期すると決めた。利用するヘリコプターが悪天候で飛行できないため。天候の回復を待ち、来週中には実施する予定だ。関係者らは移送の延期に落胆する一方で、来週の成功に期待を寄せた。

「安全が第一。こればかりは仕方がない…」。中アの山小屋で気象状況の確認を続けていた同省信越自然環境事務所(長野市)の有山義昭・野生生物課長は落胆しながら、延期の理由を報道陣に説明した。移送は23日からの4日間のうちに予定していたが、中アは雨や霧で視界が悪い状況が続いた。さらに悪天候が続くとの予報のため、24日朝に延期を決断した。

ともに標高3000メートル級の乗鞍岳と駒ケ岳。ヘリにより約30分間で運ぶ計画だが、有山課長は「ヘリはどうしても天候に左右されてしまう」とし、雨期に両方の山で視界が開ける時間帯を確保する難しさをにじませた。「梅雨が明けて天候が安定しないと難しいかもしれない。来週には着実に実施したい」と語った。

中アではライチョウを迎える準備が整っている。駒ケ岳の「頂上山荘」周辺には、移送後のライチョウを1週間ほど収容するケージが設置されている。同山荘の松島悟さん(62)は「来週のチャレンジに期待したい。居着いてもらって、登山客がライチョウを楽しめる環境になれば」と話し、高山帯への新たな「移住者」を待ちわびていた。

同省は24日、これまで3家族18羽としていた中アへ運ぶ個体数を21羽に増やすと明らかにした。移送するのは3家族で変わらないが、ひな数が2羽まで減った1家族を、他の野生の家族と入れ替えたため。移送の延期で、中アでの放鳥は8月中旬にずれ込む予定だ。

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