2020年8月9日付

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マスクの内側を汗が流れ落ちる。だんだん息苦しくなって、ついにはマスクをつまんで深呼吸。今夏は暑さに加えてマスクの不快感との闘いがこたえる▼その傍らで、布マスクでは新型ウイルスの予防効果が低いなんて話が耳に入ると、か弱い忍耐力は折れそうになる。ちまたでは「ウイルスを防御するかはもはやどうでもいい。未装着で周囲に非難されないための予防策」と、川柳にもなりそうな声が共感を呼ぶありさま▼行政の新型コロナ対策は経済回復へ舵を切った。が、地域では再始動の一歩を踏み出していいものかどうかひどく惑っている。自粛の徹底から一転した行政方針に気持ちが追い付けない、という人も。活気を取り戻したい意欲は満々だが、感染が日々広がる中で「もし感染者が出たら取り返しがつかない」と不安がよぎる▼市民の行動制限に踏み込まない政府の昨今の言動を、「感染症がさほど危険な病ではなくなった」と読み違えないようにだけは心したい。形だけの予防では、命を危険にさらしかねない状況には変わりない▼感染予防は自己責任に委ねても、金の切れ目が施策の終わりでは困る分野もある。例えば地域の救急現場。防護装備は従前と変わらず、目前の感染リスクに立ち向かうには心もとなくみえる。隊員は人命が懸かる急場で自身の感染の恐怖とも闘っている。命を守る救命最前線の防護も間断ない強化が要る。

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