変わる現場 自動車学校

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教習前の車内を入念に消毒する岡谷自動車学校の御子柴勇士社長

夏休みに入り、自動車免許の取得を目指す里帰り中の学生が増加する自動車学校。大学や専門学校の講義がある例年4~7月は閑散期を迎えるが、今年は新型コロナウイルスの影響で入校者数に異変が見られる。大学などが導入する講義のオンライン化に伴い、地元で生活する学生の入校が増加。4月以降も繁忙期が続き、自動車学校側も教習の日程調整や感染防止対策に追われている。

岡谷市長地小萩の岡谷自動車学校には今年、免許所得を目指す学生の姿が絶えない。例年、就職を控えた高校生たちが卒業する4月以降、学生の数が減少するが、御子柴勇士社長(57)は「今年は倍近い数。教習のキャンセル待ちも出ている状況」と指摘する。在宅勤務を導入する企業の増加も影響してか、二輪車免許の取得を目指す中高年も目立つという。

感染拡大により7都府県対象の緊急事態宣言が発令された直後には一時的に生徒が減少する時期もあったが、教習の申し込みは後を絶たず、免許取得に時間を要したことで内定先への就職が遅れた高校生もいた。一方で自動車学校では感染防止対策が最優先課題に。感染リスクにさらされる指導員やスタッフの負担も大きく、予期せぬ盛況を手放しで喜べない状況が続く。

校内では非接触型の体温計を導入し、来校時の検温やマスクの着用、手指消毒などを徹底。ロビーでは来校者の社会的距離を確保するためにいすに入れ替え、窓口や生徒用パソコンには飛沫感染を防ぐ仕切りを設けた。

高齢者講習や認知機能検査でも使用する教室は以前より大きな部屋を用意し、生徒は2人掛けの席に1人ずつ配置。教習車の定員も生徒2人を上限とし、車内の消毒、換気を徹底している。大型連休明けから6月19日までは、県境をまたぐ移動をした生徒の教習を2週間受け入れないルールも厳守してきた。

「どこからウイルスが入るか分からない状況。職員にも不安はある」と話す御子柴社長。「感染の可能性は常にある。油断しないことが大事」と自身に言い聞かせ、緊張感を持って対応している。課題は来年2、3月の高校生の受け入れ。学校には時期をずらした生徒の入校を提案しているが、年度末に集中する傾向が強く、例年以上の混雑が懸念される。

県の「感染警戒レベル」の引き上げを受け、同校は7月30日、県外に出た生徒の教習を制限するルールを再開。感染症第2波への警戒を強めている。御子柴社長は「できる対策を取りつつ、期待に応えられる教習業務を行っていきたい」と気を引き締める。

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