2020年8月18日付

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手にしたライトを左右に揺らす花火師たち。夜空を彩った大輪の花が消え、闇に包まれた会場にこだまする「ありがとう」の声。取材で花火を見る機会が多いが、花火師と見物客の感謝の気持ちの伝え合いには毎回心を打たれる▼お盆にかけて諏訪、上伊那の各地区で花火が上がった。新型コロナウイルスの影響が続く中、少しでも地域を明るくしたいと打ち上げた。音で気づき、外に出て、夜空に咲く花を眺めた人も多かったであろう。医療従事者に感謝する青色の花火も打ち上げられた▼茅野市内の各地区では、子どもたちがマスク越しでも分かる笑顔を広げた。5~10分間の短い花火だったけれど、両親や祖父母らと一緒に見上げると「きれいな花火が見れて元気が出た」。ありがとう、ありがとうの声がどこの集落でも聞かれた▼催しの相次ぐ中止で花火業者も苦境に立たされていた。「打ち上げる場を失って沈みがちになっていましたが、地元の皆さんから花火の話をいただいて頑張ろうという気持ちになれました」。太陽堂田村煙火店(同市)の花火師から聞いた言葉が忘れられない。早期収束のために「我慢」した大規模な花火大会の関係者への敬意も忘れてはいない▼密にならない工夫をし、さまざまな願いやメッセージを込めて打ち上げられた花火。当たり前が当たり前でなくなった今年、「ありがとう」の交換がいままで以上に心に響いた。

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