コロナ禍でも伝統「盆正月」 南箕輪村田畑区

LINEで送る
Pocket

田畑公民館前に並ぶ門松や長机、長持ちなどの片付け方を相談する区の三役ら

南箕輪村の田畑区で16日夜から17日にかけ、若い世代が盆休みの延長を求めて、区の役員宅前に物を積み上げ封鎖する伝統行事「盆正月」が、田畑公民館前のみを封鎖する形で行われた。新型コロナウイルス感染症の影響で、いったんは取りやめる方針を固めたものの、伝統行事への住民らの熱い思いを受け、規模を縮小して実施。実行役の若い世代も”閉じ込められ役”の区役員たちも、「伝統を途絶えさせずにすんで良かった」と胸をなで下ろした。

「これは片付けが大変だ」―。17日朝、公民館玄関前に、門松やしめ縄、花、ベンチなどが所狭しと並ぶ光景を目のあたりにした小林博区長(68)。極めつけは、長さ8メートルほどの棹の付いた長持ちで、玄関を通せんぼ。正月飾りとともに、地面には石灰で「お正月」と記されていた。公民館は区の業務を取り扱う拠点とあって、困りはてた小林区長は「区の業務はお休みします」と、区長代理と会計役に連絡した。

「盆正月」は、少なくとも明治時代から続く風習。盆期間も、主人に働かされた当時の農家の若者たちが、臨時休日を訴え実力行使に打って出たのが始まりとされる。村内では他地区でも行われていたが、現在は同地区PTAでつくる「伝統行事を守る会」を実動部隊に、同区のみで受け継がれている。

ただコロナ禍の今年、密接した状態での長時間作業が予想されることから、同会は取りやめをいったん決定。区長に”休日要求しません”と事前通告した。聞きつけた長老が「公民館前なら簡素な飾りで、短時間で作業を終えられる」と助言。これを受けて、例年は区長宅など5カ所に設けるバリケードを、今回は公民館前の1カ所にとどめることにした。

16日夜、会員や子どもら約20人が暗がりの中で作業。指揮を執った同会の高橋正充会長は「豪華に飾り付けることができ、簡単には館内に入れないはず。伝統行事を絶やさずにすんだ」と満足げ。区の3役で片付け作業に当たった小林区長は「”伝統の灯”を消さずに、やり方を工夫してもらえた。皆さんに本当に感謝したい」と述べた。

おすすめ情報

PAGE TOP