2020年9月2日付

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「県立長野図書館」の名称はなぜ「長野県立図書館」ではないのだろう-と数年ぼんやり考え続け、ここでの「長野」は長野県の「長野」ではなく長野市の「長野」なのだと最近になってようやく思い至った。「県伊那文化会館」と同じことだ▼念のために「県立長野図書館五十年史」をひもとくと、時の皇太子ご成婚記念事業として県営運動場とともに1924(大正13)年の県議会で設置が可決。二つの施設を巡って長野、上田、松本の3市で誘致運動があり、図書館は長野に、運動場は松本に建設が決まった▼誘致の条件として建設費を地元で負担するよう求められ、長野市は寄付で賄ったというから、信濃教育会の「信濃図書館」を前身としていながらも、名称を「長野図書館」に改めた市民の気持ちも分かる▼来年4月の再開に向けて建て替え工事が進む信濃美術館も「長野県立美術館」に名称が変わる公算が大となっている。改称案を示した事務局は理由を「シンプルで分かりやすい」ことに加え、五輪で知られている「長野」を前面に出して国内外に発信したいと説明する▼ここ数年では県立大学も県立武道館も、すんなり「長野」を頭に掲げて新設した。「信濃の国」が何かと南北で対立しがちな県民の心を一つにまとめ、「信州」の呼称で南信住民も県への帰属感を持ってきたところがあることを思うと、時代が変わってきたのだと実感する。

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