2016年08月11日付

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「昭和レトロ」の昔の商店街ではなく、現在の商店街をなるべく忠実に作ろうと考えている―。そう話すのは、伊那市の通り町商店街をトールペイントの木製置き物で作った小平和夫さん。商店街の今にこだわり、シャッターが下りたままの空き店舗もそのまま形にした▼創作のために街や店の歴史を調べ、建物をじっくり見詰めて一軒一軒の魅力を引き出している。看板建築を造った世代、それを引き継いだ2代目、建物をそのまま使って新しい仕事を始めている若い人たち…。それぞれの世代の頑張りの姿を感じてきたという▼実物の62分の1というミニチュアサイズで、厚さ5センチのヒノキの角材に描かれているのは通りに面した建物の顔の部分だけだが、60棟を超える店の置き物が並べられると、展示台の上に商店街が誕生したようで、街全体が見えてくるから面白い。完成した作品は15日まで、通り町の伊原商店フリースペースで公開している▼今の商店街をそのまま作っているにもかかわらず、懐かしさを感じさせるのはなぜか。「商店街は自分自身を確認できる場所。変わらぬ街並みに、母親に連れられて買い物をしたことや、学校の帰りに友達と立ち寄った店のことを思い出すのではないか」と小平さん▼ミニチュア商店街を、ちょっと高いところから眺めてみる。視点が変わり、見えてくるものが違う。まちづくりへの発見もあるかもしれない。

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