寒天や凍み大根生産 厳冬期以外の可能性探る

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冷凍庫を導入し、凍み大根(手前)と棒寒天(奥)を冷凍庫に入れる清水さん(右)と茅野さん

冬の気候を生かした諏訪地方の特産品のブランド化を目指す有志団体「凍みでつながるプロジェクト」(茅野文法代表)が、寒天や凍み大根の生産工程の一部に冷凍庫を導入する取り組みを始めた。厳冬期に凍結と解凍を繰り返して作る両食品を、解凍が早いこの時期に作った場合にどう仕上がるかを調べ、新たな売り方を模索する。

同団体には凍み豆腐も含めた生産者やダイコン農家、旅館、飲食店などが加わっている。寒天や凍み大根は冬に生産され、季節の風物詩にもなっているが、近年は氷点下20度ほどとされる生産に適した気温にまで下がる日が減り、生産期の短縮化が課題となっている。

冷凍庫の導入は気候の変化による生産量の減少を補う目的。凍み大根はかつて、家庭の保存食としての利用が中心だったが、近年は産地の茅野市笹原で郷土料理を楽しむツアーで使われたり、奥蓼科の旅館が宿泊客をもてなす料理で笹原産凍み大根を使用したりして需要が徐々に高まっている。生大根に比べて栄養価が高い点も人気の一因という。寒天は同プロジェクトに参画する製造業者のイリセン(諏訪市四賀)が厳冬期以外だと型崩れしてしまう棒寒天をスープ用や菓子用として活用し、寒天作りには適さない寒さの中での生産を試みてきた。

冷凍庫は茅野市湯川の同社生産工場に導入した。1度に棒寒天約500本を凍らせる容量で氷点下20度に設定する。冷凍庫を使った試験生産はすでに寒天で始めており、21日は大根を初めて投入した。プロジェクトに参画する笹原観光まちづくり協議会郷土料理部会リーダーの清水壽美子さん(76)が凍み大根を作る場合と同じやり方で下ごしらえをし、冷凍庫の中につるした。解凍と再冷凍を一定期間繰り返し、出来栄えを確認する。

同協議会事務局長の武安茂美さん(70)は「郷土食を体験したいという観光のニーズもある。厳冬期以外にも凍み大根を生産し、発信できるようになれば面白い。ダイコン農家のやる気にもつながるし、すべてを自然の中で作った”天然物”の付加価値が高まるかもしれない」と期待。清水さんは「先人の知恵が生んだ凍み大根の文化を後世に残すため、できることには挑戦したい」と意気込んでいる。

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