医療助ける製品共同開発 諏訪日赤とスワコー

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諏訪赤十字病院とスワコーが開発した左からAライン固定具とナースコール表示版

諏訪赤十字病院(諏訪市)と、プラスチックフィルムや両面テープ、発泡材などの加工メーカー「スワコー」(岡谷市)は10日、同病院で記者会見を開き、集中治療室などで患者の血圧測定に使用する手首の固定具と、認知症患者が安心して利用できるナースコールの表示板を開発したと発表した。すでに同病院で活用していて、医療や看護の質向上に役立っているという。スワコーが両製品の販路拡大を目指している。

両製品は、NPO諏訪圏ものづくり推進機構が主催する「医療・ヘルスケア機器推進研究会」と同病院が、医療現場の課題解決につながる製品開発を行う「諏訪赤十字病院分科会」から生まれた。固定具は2018年6月、表示板は19年5月に病院スタッフから提案があり、試作と評価を繰り返して製品化した。

固定具の製品名は、観血的動脈圧測定ライン固定具「Aライン固定具」。手首を固定して動脈にカテーテルを挿入し、患者の血圧などを正確に把握する際に使用する。従来品は8000円程度と高額で、繰り返し使うため洗浄と消毒の経費がかさみ、衛生的にも不安があった。

開発した固定具はプラスチック製で縦9センチ、横23.5センチ、高さ7センチ。スワコーが得意とする曲げ加工を施し、腕を固定するマジックテープやスポンジを取り付けた。病院と試行錯誤を重ね、通気性を向上し、スポンジを厚くして「寄り患者にやさしい仕様」(同社)へと改善した。

価格は1400円に抑え、使い捨てが可能な上に繰り返し使用できる従来の機能も維持した。腕を固定するマジックテープは取り外せるようにし、衛生面の課題も克服した。固定具の課題を長年感じていた同病院医療安全推進室の牧内明美看護師長は、「固定具の目的を達成しながら課題の解決につながる製品。医療看護の質の向上につながります」と笑顔を見せた。

表示板はスポンジ製で縦14.8センチ、横21センチ、厚さ3センチ。中央の穴にナースコールを差し込んで固定し、マジックテープでベッドの手すりなどに設置する。「おたすけボタン」などと書いたラベルを貼り、認知機能に応じてナースコールができるようにした。価格は2800円程度。

会見で、スワコーの横内雄一工場長は「販路確保が課題。諏訪地域の病院やECサイトで販売できれば」と話した。同病院の梶川昌二院長は「引き続き協力して諏訪の産業に貢献したい」と語り、全国展開に期待を寄せた。

同病院分科会からは点滴クリップやチューブなどを束ねる器具、カテーテル受け台が誕生し、19年度まで「みんなのアイデアde賞」(日本病院会など主催)を3年連続で受賞している。

問い合わせは、スワコー(電話0266・23・9161、メールinfo@swacoo.co.jp)へ。

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