高原病院と茅野署提携 運転シミュレーター

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医師、作業療法士、警察が共同で手作りした運転シミュレーター

富士見高原病院(富士見町)リハビリテーション科と茅野署は、運転の模擬体験ができるシミュレーターを手作りしてリハビリテーションに取り入れ、病気やけがで車の運転が不安な入院患者の社会復帰を支援し、交通事故を防ぐ取り組みを始めた。生活に車が不可欠な高原地域にあって免許の返納が容易でない中、運転が可能かどうかをみる新たな指針としてリハビリに生かし、必要に応じて自動車教習所での練習や警察での講習、検査につなぐ。

医療現場と警察、教習所が連携したサポートは「おそらく県内初」(青沼正悟茅野署交通課長)。

同病院では患者やその家族に「これからも車の運転ができるだろうか」と相談されるも、「判断する基準がなく、返答に困ることがしばしば」(安田岳整形外科部長)あった。町内では高齢者ドライバーによる事故が増加しているが、「山坂が多いこの地域では車がなければ生活が立ち行かず、『運転をやめろ』と安易に言えない」(青沼課長)との苦渋もある。

運転シミュレーターの導入は後藤敏副院長が発案。市販品は高額で手が届かず、自作することにした、パソコン機器はオークションで落札したり、院内の不用品を集めたりし、座席は医師が私有車から提供。ハンドルはゲーム用のコントローラーで代用、ウインカーは歯ブラシの柄を使った。

スタッフが”総力”を挙げて半年がかりで完成させた設備は、「実際の運転に近い感覚を再現できている」と交通課長も太鼓判の出来栄え。判定の基準や観点は青沼課長が監修し、同科の作業療法士が中心となって評価システムを構築、認知症に対応する心理療法士も参加する。

判定結果は加療中のリハビリから退院後の生活支援に役立てるほか、警察での相談や公安委員会が行う認知機能検査の際の基本情報としても有用という。

作業療法士の吉田誠也さん(25)は「在宅、社会復帰に向けてより適切で効果的なリハビリが提供できる。警察や教習所など地域内での連携も深めたい」とし、後藤副院長は「高齢化、人口減の今、多様な機関が協力して地域ぐるみで住民を支える体制づくりが大切。医学面ではシミュレーターを活用して認知症と運転能力との相関も今後、明らかにできたら」と話している。

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