2020年12月8日付

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新型コロナウイルスの感染再拡大で緊張感が高まる中、感染の有無を判定するPCR検査などを拒否する事例が相次いでいるという。仕事を休めない、予約を取り消せないなどさまざまな理由や事情があるようだが、背後には感染に対する差別や偏見など、周囲の厳しい目も潜んでいそうだ▼厚生労働省によると、全国の感染者数に占める感染経路不明の割合は、8月以降は約半数で高止まりしている。感染の可能性を自覚しながらも、関係者に迷惑を掛けたくないとの思いから、口を閉ざす例があるとの指摘もある▼検査拒否や感染経路不明の要因には、感染に対する社会の否定的な視線への恐れが少なからず含まれているのではないか。感染防止に努めていても、誰でも感染する可能性はある。この事実を正しく押さえたい▼アルバイト従業員が感染し、社会の不安や感染拡大を防ごうと公表に踏み切った伊那市の飲食店が、誹謗中傷にさらされた。代表の男性は会見を開き「悪いのはウイルスで従業員ではない。誹謗中傷により感染を公表しない社会の風潮が強まり、感染拡大につながる」と訴えた▼誰もが感染は免れたい。ただ、過度な姿勢は暗黙の圧力となり、感染者の口をつぐませて結果として感染を広げてしまわないか。誹謗中傷や詮索は論外だ。冬が訪れ、感染リスクはこれまで以上に高まるとされる。今こそ共に戦う意識を改めて共有したい。

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