高遠産トウガラシ2種「信州の伝統野菜」に

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「信州の伝統野菜」に選定された「高遠てんとうなんばん」(左)と「芝平なんばん」

伊那市は21日、同市高遠町で栽培されている在来品種のトウガラシ「高遠てんとうなんばん」と「芝平なんばん」が、県の「信州の伝統野菜」に選定されたと発表した。ともに古くから栽培され、信州大学に委託した調査で信州の伝統野菜への登録申請が可能と分かり、申請を行っていた。市は今後、生産振興を図り、食文化の維持・振興につなげていきたい考えだ。

信州の伝統野菜は、県内各地に残る貴重な伝統野菜を次代につないでいこうと、2006年に選定制度が創設された。県内で栽培されている野菜のうち、「来歴」「食文化」「品種特性」の3項目について、一定の基準を満たしたもので、これまでに79種類が選定されている。

市は昨年度、信大に委託し、在来品種である高遠てんとうなんばんと芝平なんばんの品種保存に向けた栽培試験と信州の伝統野菜登録に向けたデータを得るための調査を実施。通常の一味唐辛子などに使われる「三鷹」と比べ倍以上の辛味成分(カプサイシノイド)が含まれるなどの特性が分かり、今年4月に信州の伝統野菜に申請した。

高遠てんとうなんばんは、青果の長さ6~7センチ、重さ1・5~2・5グラム。高遠町の山室、小原地区で古くから栽培され、1735(享保20)年の高遠領産物書上帳に記載があるという。栽培農家から種をもらい受けた近隣農家が小規模ながら栽培を続けてきた。生産農家は13戸、栽培面積は1・3アール、生産量は20キログラム程度。そばの薬味やなんばんみそ、みそ漬けなどとして食べられているという。

芝平なんばんは、青果の長さ10~14センチ、重さ4~6グラム。高遠町東部山麓の三義芝平地区で古くから栽培され、昭和50年代に集団移転した高遠町上山田地区で 少数ながら栽培が継承されてきたという。生産農家は2戸、栽培面積は0・15アール、生産量は20キログラム程度。甘辛煮、みそ和え(刻み)、みそ漬けなどとして食べられているという。

信大学術研究院(農学系)の松島憲一准教授は「トウガラシは冬の保存食として栽培されてきた。メインの料理にはならないが、アクセントとして信州の食文化を陰で支えてきた」と話していた。

今後は、伝承地で継続的に栽培されている伝統野菜や一定の基準を満たした生産者グループを認定する「伝承地栽培認定」に向けて準備し、申請を行う考えという。

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