町立小中学校をキャンパス化 辰野町長私案示す

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辰野町の武居保男町長は25日に開いた町総合教育会議で、町立小中学校の運営体制について、2023年度を目標に一貫型の「町立ほたる小中学校(仮称)」を導入する私案を示した。現在ある5校を統合して施設をキャンパス化し、文化スポーツや自然など個々に特色ある体験学習を展開する。小学生時から通学場所を選べる仕組みで、実現すれば全国初の教育事業になるという。これに伴い、児童数減少による処遇判断の期限が迫っていた川島小学校は、キャンパスの一つとして存続させる考えを明らかにした。

私案によると、同校は小学部、中学部で構成。小学部キャンパスは10人以下から30人まで規模の異なる学級を設け、共通課程に加えてそれぞれの裁量で使える授業時間に音楽、美術、スポーツ、自然と特色ある体験学習を行う。辰野中学校を用いる中学部キャンパスは30人規模。環境になじめない生徒のために、小学部の各キャンパス内に少人数学級を併設して対応する。

児童、生徒は入学時にキャンパスを選択するほか、1年または学期単位でも移動できる。通学は距離に応じて徒歩や自転車、スクールバス運行などを検討。運動会や音楽会といった行事は全体で実施して交流を図る。小中一貫校、義務教育学校などの運営方式は研究課題とした。

今後は、子育て世代の町職員らとの意見交換を踏まえて課題を整理。町教育委員会や幅広い立場の住民による議論、検討の場を設けたい考え。学校単位などで保護者らに対する説明も行い、取り組みへの理解を求める。

武居町長は町役場での会合で、18年度から3年の「チャレンジ期間」を設けて川島小を存続させ、移住定住促進と合わせて児童数確保を図った経過を説明。「期間中の児童数の実績は微増にとどまった。しかし住民の積極的な活動に触れ、地域に学校があることの大切さを実感した」と存続判断の思いを強調した。

その上で私案について「少子化で町の年間出生児数が100人を切ったいま、学校の存廃議論は最後の1校が残るまで続くだろう。私案は未来を変える挑戦。統廃合でなく、魅力ある学校づくりで子どもの個性に寄り添う教育を目指したい」と説明した。

町教育委員からは「まず川島小の存廃判断があるべき」「キャンパス化は財政面、猶予期間において相当厳しい」との指摘が。宮澤和徳教育長は、町立小・中学校あり方検討委員会が17年度に示した、学級の適正規模の最低基準を「おおむね10人」とする提言を上げ「提言通りの判断が出ず残念」と述べつつ「個性重視の教育姿勢は、町教委でも大切に考える必要がある」とも話した。

川島小を軸に地域活性化を図る住民団体「ふるさと川島未来協議会」の樋口博美代表は「選べる学校づくりは全国に先駆けた構想で、人口減少の中で地域に人を呼び込む可能性が広がる。ぜひ実現してほしい」と期待を寄せた。

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