マイケルさん わら細工職人目指し修行

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一人前の職人を目指して、わら細工の基本を繰り返すマイケルさん=飯島町の南信州米俵保存会

大相撲の土俵をはじめ、わら細工を幅広く手掛ける飯島町の職人集団「南信州米俵保存会」に、下伊那郡平谷村で地域おこし協力隊として活動する英国出身のマイケル・キングさん(31)が弟子入りし、「初の外国人わら細工職人」を目指して修行を積んでいる。「今まで探してきたことはこれではないか」と思うほどわら細工にほれ込み、土俵に携わる目標に向かって技術を磨いている。

1月から週1回ほど、平谷村から飯島町にある保存会の作業場まで片道約1時間半かけて通い、職人たちに加わってわら細工を作るマイケルさん。22日も先輩の渡部唯子さんらと肩を並べて作業した。

マイケルさんについて「すごく熱心。日本のことにも詳しくて古事記とかも知っているんですよ」と渡部さん。「日本の歴史や文化、宗教とすごく興味深いものばかり。そこにわら細工があるんです」とマイケルさんは笑う。

2012年に来日し、外国語指導助手として人口50人余の沖縄の離島・慶留間島に赴任。日本人の妻と結婚して4年間生活した後、隣の阿嘉島でカフェを経営して3年間を過ごし、屋久島でアウトドアガイドをして1年間働いた。

妻の出産で東京に移った後も独立して箱根などでアウトドアガイドの事業を行っていたが、新型コロナの影響で仕事がなくなり、原点にあった田舎暮らしへの回帰を決意。山や空気が美しい場所を探していたところ、人口400人余で県内最少の村として知られる平谷村にたどり着いた。

一家で移住した直後の昨年秋に、長野伊那谷観光局(伊那市)が企画したモニターツアーに参加し、わら細工を初めて体験。難しかったが、集中して作業するうちに自然とリラックスしている自分の姿に気付いたという。

熱く前向きな職人たちにもひかれ、保存会代表の酒井裕司さん(45)からも「一緒にやってみない」とスカウトされて相思相愛に。自宅そばに場所を確保し、作業場に来られない日も自己研さんに励む。

将来の夢は農家民宿を経営し、さまざまな体験ガイドをすること。その中でわら細工は、訪れる外国人らに日本の伝統文化を伝えるのに有効と考えている。

「まだ始まったばっかりで、これから長いプロジェクト。誰もやっていないスタイルを追い求めていきたい」と伊那谷の地で夢は広がる。

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