震災後に支援活動 石巻市長から感謝の手紙

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石巻市長からの手紙に目を通す町地域係の酒井崇宏係長=3月11日午前

東日本大震災で発災11日後に被災地の宮城県石巻市で支援活動を行った飯島町に、同市の亀山紘市長から感謝の手紙が寄せられた。国内外から数多く差し伸べられた温かい思いを心に刻み、震災を後世へ伝承するとつづられている。当時、石巻市で支援活動した町地域係の酒井崇宏係長(38)は「私たちもあの時の教訓を生かして、前に進むことを改めて考えたい」と話す。

震災直後、町は上伊那仏教会青年部と町建設防災協会と共に20人で「飯島町支援隊」を組織。町民に呼び掛けて集まった毛布900枚をはじめ、上伊那各地から広く寄せられた食材や救援物資などをバスや保冷車など計10台の車両に詰め込み、石巻市の門脇中学校で3月22日から5日間炊き出しなどを行った。

町支援隊が到着するまで避難してきた住民は非常食で過ごしており、酒井さんの脳裏には今も「温かい食事は久しぶり」と喜ぶ姿が焼き付く。

一方で避難所には、沿岸部を襲った津波で家族の行方が分からなくなった人も多く、ストレスがたまっていた。ささいなことでも信頼関係が崩れそうな状況。日ごろからの隣近所との結びつきの大切さも感じたという。

あれから10年たち、自治会に関わる地域係の係長となった酒井さん。改訂した自治会加入を呼び掛けるガイドブックには、「災害時の助け合いには地域の力とお互いの信頼関係が重要。平時から自治会のさまざまな活動を通じて仲間意識を育み、心強い近所との関係づくりが必要となる」という一文を付け加えた。

当時の町広報紙には支援隊の活動の様子が報告されている。そこには「隊員は疲労で限界を感じていたが、帰れば普段通りの明日がある。同時に避難所の生活が続くと思うと、帰ることを申し訳なく思う」と書かれている。

「訓練と実際は違う。本質に目を向けて取り組むことも大切」。現地での支援を通じて自身にとって特別な日になったという3月11日に、酒井さんは思いを新たにした。

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