被災地に心寄せる 富士見で追悼のピアノ演奏

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富士見町コミュニティ・プラザのロビーで追悼のピアノ演奏をする根本崇史さん(右)。女声コーラスグループが歌声を乗せて被災地に心を寄せた=11日午後2時50分すぎ

東日本大震災から10年を迎えた11日、諏訪地方の住民も地震発生時刻に合わせて鎮魂の祈りをささげた。富士見町コミュニティ・プラザでは追悼のピアノ演奏があり、富士見中学校合唱部の外部講師を務める根本崇史さん(35)=同町田端=が、復興支援ソング「花は咲く」を演奏。優しいピアノの音色に、地元の女声コーラスグループ「七草のしらべ」が歌声を乗せて、被災地に心を寄せた。

震災も一つのきっかけになり、2015年に家族とともに首都圏から富士見町へ移り住んだ根本さん。幼少期からピアノに取り組み、国立音楽大学では幼児音楽教育と声楽を専攻。現在は町内の障がい者支援施設で支援員として働きながら週3日、同校の合唱部員を指導している。

地震発生から3週間後、食糧と生活物資を担いで東北の被災地を訪れた。「被災者の方に歌を届けたいとも考えていたが、とてもそんな状況ではなかった。自分の甘さ、自分の音楽がいかに無力であるかを思い知った」。自分を見失い、富士見町に移住後も音楽と距離を置いていたが、縁あって合唱部外部講師に。純粋に音楽を楽しむ生徒たちを見て「音楽の種をまき、次世代や地域に音楽の花を咲かせるのが自分の使命」と気付いたという。

午後2時46分に1分間の黙とうをささげ、再び音楽に向かわせてくれた富士見町への感謝も込めて演奏を始めた根本さん。「寄り添い、忘れないことが大切だと思う。被災地にも身近な人にも。寄り添う思いを持ち続けたい」と話した。町職員や来館者も足を止めてピアノの音色を聞き入り、犠牲者を追悼し、被災地に思いを寄せた。

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