2021年4月1日付

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人里離れた山間部にひっそりとたたずむ巨大な建造物。「あのアーチが美しいね」。無機質なコンクリートが作り出す滑らかな曲線を眺め、ダムファンの1人がつぶやいた。全くの同感。非日常的でダイナミックな景観にファンならずとも魅了される▼ダムが果たす役割や機能を知ってもらおうと、各地のダムで一般向けの見学会や体験イベントが行われている。これまで何度か取材する機会があったが、毎回遠方から足を運ぶファンの姿も見られ、その熱意と行動力に頭が下がる思い。話を聞けば言葉の端々からダムに寄せる愛情や敬意が伝わってくる▼中川村と松川町境にある小渋ダムは昨年11月、ダムファンの投票で選ぶ「日本ダムアワード2020」でイベント賞を受賞した。ライトアップしたダムの放流を間近で見学し、管理職員との懇談を楽しむ手作りのイベント。他では得難い体験として目の肥えたファンの心をつかんだようだ▼国土交通省は特色あるインフラ施設を観光資源化する事業として「インフラツーリズム」を推進している。橋やダムといった施設を観光素材としたもので、全国には観光客誘致に成功した自治体もあるそうだ▼ファンの声を参考にイベントを企画しているという小渋ダム。万人受けする催しが高い評価を得るとは限らない。地元の観光関係者とも連携し、マニア心をくすぐる企画で地域を盛り上げてくれたら面白い。

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