2021年4月23日付

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「コロナ禍の中でも大会を開いてくれる方々に感謝し、最後の一球まで諦めずプレーします」。野球少年の選手宣誓はごく簡潔で、しかしグラウンドにいた全員の心をつかむ名場面となった。「感謝」という言葉に強い思いが宿っていた▼過日取材した、辰野町少年野球連盟のシーズン開幕式。昨季はコロナ禍の影響で3カ月にもわたる延期を経験したが、今季は感染防止策を講じて例年並みの始動にこぎつけた。待ちわびた球春到来に選手が活気づき、運営する大人も安どの笑顔を浮かべた▼宣誓を任された選手は本番前、自信なさげな表情でメモに目をやってせりふを確認していた。一生懸命に予行演習したのだろうか、小さな紙片はしわくちゃだ。でも周囲の心配をよそに、彼はグラウンド中に響き渡る声で立派に大役を務め上げた。支えてくれる人を思い、みんなの気持ちを代弁した言葉が「感謝」だった▼指導者や保護者の代表は事前取材で、「野球ができることに感謝を」「仲間や家族への感謝を忘れないで」とコメントを同じくしていた。子どもも大人も、日ごろからチーム全体で大切な思いを共有しているからこそ、開幕式の素晴らしい雰囲気が生まれた▼感謝の気持ちはスポーツにとどまらず、日常生活にあるべき謙虚な姿勢や優しさ、人のつながりの尊さを思い出させてくれる。いつでも心の真ん中に置いて、立ち返るべき原点としたい。

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