諏訪地域時短要請 影響は飲食店以外にも

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倉庫に積まれた在庫のビール瓶や樽を見つめる今井宏社長。「1週間は動いてない」と肩を落とす=諏訪市大手の賀茂鶴今井商店

諏訪地域での新型コロナウイルス感染拡大や飲食店への営業時間短縮などの要請は、酒・食材を飲食店に卸す取引先やタクシーといった関連業者にも大きな打撃となっている。人出が減り軒並み売り上げが減少。それでも協力金はない。新規事業を立ち上げたり、従業員の休業手当に充てる助成金などを活用したりしながら乗り切ろうと模索する。

◆注文が激減◆

行き先がないビール瓶や樽が1週間ほど積まれたまま―。諏訪地方を中心に業務用酒販を手掛ける「賀茂鶴今井商店」(諏訪市)の今井宏社長(49)は、倉庫に積まれた瓶や樽を前に肩を落とした。通常は1日30~40件ある注文が、6件ほどに激減した。

業務用酒販が売り上げの9割以上を占めるため、時短要請は「痛い」。要請に伴う協力金が支払われるのは酒類を提供する飲食店などのみ。苦境を打開しようと先月、近隣の飲食店などに協力してもらい、車による弁当などの移動販売を始めた。酒類の提供はできないが「収束後に飲食店に足を運んでもらうことで、お酒の注文にもつながれば」と期待。ただ、本業の傍らで時間や労力を割く現状に「酒屋の大変さを知ってもらえたら」とこぼした。

◆「当分は諦めた」◆

「俺らにとっては死んだようなもんだ」。夜9時すぎ、茅野市のJR茅野駅前ロータリーに停めた車内で、時間を持て余すようにラジオに耳を澄ませていた タクシードライバーの男性(74)。いつまで待っても来ない利用者に「もう当分は諦めた」と力なく笑った。

変異株を含む地域での感染の広がりで、昨春の緊急事態宣言下よりタクシー利用が少ないという。この状況に、男性が勤める「第一交通」(諏訪市)は台数を絞り、運転手を休ませる方向で検討中。従業員の休業手当のため雇用調整助成金を申請する予定だ。

◆代行業者も深刻◆

運転代行業者への影響も深刻だ。茅野市の「あい運転代行」は9台ある車の運行を1台にとどめる。「飲食店あっての代行」とため息をつき、人件費は雇調金の申請で賄う考えだ。ただ車の維持費など経費は他にもあると、苦しい胸の内を吐露。時短要請期限の29日を過ぎても「人出は戻ってくるのか…」と 表情を曇らせて感染の早期沈静化を願った。

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