諏訪湖のワカサギ採卵 遡上不足で出荷断念

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4月半ばを過ぎてもワカサギの成魚の遡上は少なく、網を仕掛けてもほとんど捕獲できなかった=19日午前6時10分、上川

諏訪湖漁業協同組合(武居薫代表理事組合長)は諏訪湖周6河川で行っているワカサギの採卵事業で成魚がほとんど遡上せず、26日、今季の卵の全国出荷を断念した。採卵漁獲量は2015年から年ごと増減が大きく変動して不漁も多く、未出荷は3度目。武居組合長は「今年は人為的な影響も考えられず、なぜ、という思い。水産試験場などの協力を得ながら今後検討し、次年度への手だてを講じたい」としている。

採卵作業は3月上旬に始めた。昨年11月に県水産試験場諏訪支場が行った調査で推定資源量は「例年並み」だったが、4月の遡上最盛期を迎えても魚影はごくわずか。今月24日までの採卵量は約2000万粒。ワカサギ大量死直後の2017年に次ぐ最低量で推移し、5月連休までの作業期間中、回復の見通しが立たないという。

同漁業にとって卵の販売事業は全収益の3分の1を占めており、経営打撃は必至。また、全国出荷の一翼を担う諏訪湖での採卵不良は全国の漁場にも影響を与えるという。

今年は全国から約7・1億粒を受注していたが断り、来季に向けて採取卵全量と県外産の計1・2億粒を諏訪湖に放流した。原因究明が望まれるが、ワカサギの生態上、この時期の調査は困難という。
 
武居組合長は「コイやフナも含め、諏訪湖の魚類の生態バランスの崩れが不安」と話し、「夏から秋の降雨と湖への流入量、稚魚の生育の推移を慎重に見たい」とする。釣りや漁の規制は経済への影響からできるだけ避けたい-との思いも語った。
 
かつては毎年40億粒を採取したが、2008年ごろから減少し、2015年には前年の10分の1以下に激減し、翌年はワカサギの大量死が発生。以後、17、18年も卵を出荷できなかった。

武居組合長は「諏訪湖の、遠浅の砂地に水中植物が繁茂する産卵適地がほとんど消失した。コイやフナも含め稚魚の放流量を増やしても成魚が増えないのは、生息環境の不安定さも一因ではないか」と保全のあり方にも一石を投じている。

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