2021年5月2日付

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毎月8日は「信州地酒で乾杯の日」である。2016年12月8日、県や県小売酒販組合連合会などが制定した。数字の「8」が、杯やグラスを重ね合う乾杯の様子を連想させることから地酒振興の記念日になった▼日本酒、ワイン、リンゴの発泡酒シードル…。地酒は信州の豊かさの象徴だ。国税庁調査によれば、日本酒の酒蔵数は都道府県別で新潟に次いで2位。近年はクラフトビールの新顔も続々と加わる▼「日本酒のお燗に例えれば、『冷や』から『人肌燗』になった」。記念日の制定当時、地酒の消費は回復の兆しを見せていた。その後、海外での和食ブームの追い風を受けた。東京五輪で一気に「上燗」「熱燗」へ。そんな青写真を描いていた関係者も少なくなかっただろう▼新型コロナの影響で業務用を中心に国内出荷量が激減し、消費は「冷や」の状態である。諏訪市と茅野市では酒類を提供する飲食店への時間短縮や休業の要請が延長され、地域の酒屋は「危機的な状況」に直面する。「酒や酒屋が悪者扱いされてつらい」と悲痛な声が上がる▼酒に強い体質ではないが、新酒の季節からちょこちょこと地酒を買い、家で一人飲みするようになった。おちょこ一杯が自分にはちょうどいい。乾杯はなくとも土地の米、水、技で醸した地酒であれば一人でも楽しい酒である。味わってちびちびと飲み、微力ながら地域の酒造や店を応援し続けたい。

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