砥川の河川改修今月完了 下諏訪町内

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6月で河川改修が完了する砥川=下諏訪町大門

下諏訪町内を流れる砥川の河川改修が着工から15年を経て6月で完了する。2001年に田中康夫元知事が打ち出した「脱ダム宣言」により、上流の東俣川に予定していた下諏訪ダムの建設は中止となり、治水対策は河川改修へと転換。住民参加で検討する「砥川流域協議会」の設置を経て議論を重ね、06年に着工した。初代座長を務めた宮坂正彦さん(63)=同町武居=は「ダムを造らなかったことが河川改修の促進につながったと思う」と振り返った。

改修区間は諏訪大社下社春宮近くの医王渡橋から河口(諏訪湖)までの約2.8キロ。川幅を最大で10メートル広げ、最も広い場所では26メートルとなった。川底は最大で1メートル掘り下げ、3.1メートルとした。流下できる最大流量は医王渡橋から福沢川合流点までの約600メートルが毎秒220トン、同地点から諏訪湖までの約2.2キロが毎秒230トン。整備前と比べて約2倍となり、県諏訪建設事務所整備課は「50年に1度の大雨に備えることができた」とする。

河川工事に着手した当時の医王渡橋下流付近の砥川=2006年1月

協議会からの提言を受け、県は整備区域を4区間に分けて河口側から工事を進めた。 1、河口~鷹野橋はワカサギの保全や親水公園との調和 2、同橋~JR中央線の橋は住宅や公共施設の密集地で天井川でもあることから安全確保対策を優先 3、JR橋~福沢川合流点は以前から流下能力が高かったため、大掛かりな工事をせず清流と触れ合える場の創出 4、同地点~浮島上流は景観をそれぞれ優先した。同区間の鷹野橋、富士見橋はいずれも架け替えた。

宮坂さんは当初、防災上の観点からダム建設もやむを得ないとの考えがあったが、「今思えばダムは造らなくて良かった。ダム建設となれば、河川改修よりもダムの完成が優先されていただろう」と話す。一方で「河川改修が完了しても防災面に限界はある。治水対策はまだ道半ば」とし、上流域の森林整備や住民の防災意識高揚の必要性を挙げる。「森林が持つ保水力を高める取り組みが必要になる。河川改修によって災害が起きにくくなったかもしれないが、起きないわけではないという認識がより広がるといい」と語った。

同課も「100年に1度の災害に備えるには森林整備が必要」としている。

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