日本画家・岩波昭彦さん 新作「諏訪湖」完成

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古里を描いた日本画「諏訪湖」と制作した岩波昭彦さん(自宅のアトリエで)

茅野市出身で日本美術院特待の日本画家・岩波昭彦さん(54)=千葉県佐倉市=が制作していた日本画「諏訪湖」(30P号)が完成した。いつかは描きたいと温めてきた古里。諏訪湖を中心にガクアジサイ、遠景には八ケ岳を据え、幼い頃から高校時代までの思いを凝縮している。大阪のあべのハルカス近鉄本店美術画廊で予定していた個展がコロナ禍で中止となり、長野日報の紙上が初披露となる。

岩波さんは多摩美術大学卒業後、産経新聞社東京本社に入社、美術記者会会員。文化勲章を受章した松尾敏男に師事した。国内外で個展を重ね、作品は上野の森美術館、外務省、在ニューヨーク日本総領事館などに収蔵。2014年には諏訪大社に「平成・諏訪大社三題」を奉納している。作風の根幹は、師の教え「日本画の真髄ともいえる写生を通し、自然から大切なものを学ぶ姿勢、音や目に見えないものを描く大切さ」としている。

小さい頃から父親の岩波昭雄さんの生家から行ったり、高校の通学路だったりした諏訪大社秋宮。ふと振り向いた景色は今でも鮮明に覚えている。アジサイや松などの木々、諏訪湖が見え、そこからは見えないが作品には八ケ岳も描いて「心象風景」として仕上げた。

当初は諏訪を大阪の人たちに少しでも紹介できたらと、個展出品を目指して追い込んだ。中止となって一時は中断したが「こんな時だからこそ古里の人に見てもらえれば」と仕上げた。

岩波さんは個展に先立ち、図録を発刊、展示予定だった50点のうち44点を収録している。都市の肖像や神社仏閣、日本神話などを題材に風景画家、抽象画家として多岐にわたる新作を収録。長野日報社の佐久秀幸社長は「不安やストレスが切り離せない現代社会にあって、岩波作品は心のぬくもりの光を取り戻してくれる存在」と寄せた。

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