在来種ソバ「焼き畑」栽培 伊那市長谷で実験

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焼き畑によるソバの栽培実験を行うため、ほ場に置いた木の枝を燃やす参加者

伊那市で復活させた在来種ソバ「入野谷在来」を伝統的な農法「焼き畑」で栽培する実証実験が20日、同市長谷非持山の耕作放棄地で始まった。「焼き畑のソバはおいしい」という伝承に基づき、「入野谷在来」のさらなるプレミアム化と耕作放棄地の活用を目指し、信州大学農学部植物遺伝育種学研究室とそば職人で同研究室の一員である山根健司さん(55)=同市高遠町=が中心となって実施。焼き畑とそれ以外の条件で栽培したソバを食べ比べたり、成分を分析したりして焼き畑の有効性を検証する。

山根さんによると、長谷地区では昭和20年代まで焼き畑でソバが栽培され、当時を知る人たちに聞き取りを行ったところ、「焼き畑栽培のソバは非常に香りが高く、おいしかった」という体験談が確認されたという。こうした伝承は各地に存在し、現在でもソバの焼き畑栽培を行い、高額で取引されている事例もあるといい、「焼き畑の有効性が実証できれば、入野谷在来のさらなるプレミアム化につながる」(山根さん)と実証実験を行うことにした。

ほ場では地元で調達した広葉樹の木の枝を燃やすことで疑似的に焼き畑を再現。これに加え、▽灰を散布する▽灰も肥料も与えない▽通常の栽培方法―の四つの方法で実験し、違いが出るか確かめる。ほ場は1区画16平方メートルあり、それぞれ3区画ずつ設けた。

この日は山根さんや同研究室の松島憲一准教授(54)、学生、大学院生ら約20人が参加。ほ場に置いた木の枝に一斉に火を付けて燃やした。その後、昨年収穫した「入野谷在来」の種約900グラムを各区画にまいた。順調だと9月下旬から10月初めごろ収穫。脱穀、製粉し、打ち方による違いが出ないようそばがきにして食べ比べる予定という。併せて成分分析も行う。

山根さんは「プレミアム化によって付加価値のあるソバを生産できれば農家の安定収入、地域の振興につながる」と指摘。松島准教授は「県外では焼き畑で作った作物が見直されている。本当においしいのか科学的に明らかにしていきたい」と話した。

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