2021年7月22日付

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夏の甲子園を懸けた全国高校野球選手権長野大会はきょう、準決勝2試合が松本市野球場で行われる。初の4強入りを果たした高遠は松商学園と、岡谷南は32年ぶりの決勝進出を懸けて長野日大と対戦する▼自分が少年野球をしていた頃、岡谷市内の野球少年にとって岡南ナインは憧れの存在だったと思う。春秋を含め県大会上位常連校で、1989年夏は初の甲子園へあと一歩に迫った。諏訪湖畔にある校庭の脇からシートノックを眺めた。声出し、練習態度、全てを見習った▼高遠の校庭は緑が広がる高台にある。4年前、野球部員と高重陽介監督が始めた高遠野球交流会を取材した。高校球児が地元の少年球児にマンツーマンで教え、内野後方に柵を立て硬式テニス球でティー打撃を行う。経験が浅い子のスイングも徐々に力強さを増し、柵越えが出るようになった▼楽しさを伝えることに重きを置いていた。「ナイス、その調子」。部員の笑顔と掛け声がよみがえってくる。当時、部員不足で地元中学の野球部は休部状態。「中学、どの高校に進学しても野球を続けてくれたら」(高重監督)。地域の野球を持続可能なものにするための第一歩だった▼77チームの全球児がコロナ禍で涙した先輩の思いや地域の期待を背負い、なお続く制約の下で努力を重ねてきた。画面越しでもいい。野球少年に関わらず、多くの子たちに観てほしい残り2試合である。

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