2021年8月6日付

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国際協力機構(JICA)の仲介により、一昨年から群馬県前橋市で合宿していたアフリカ南スーダンの陸上女子200メートルと男子1500メートルの2選手が東京五輪の出場を果たした。同国は10年前に独立。それ以前から50年間も続く内戦で、犠牲者は200万人にも及んだ▼前橋市では寄付金などを2選手を含む関係者5人の滞在費に充て「スポーツを通じた平和促進」を掲げて応援した。同市の山本龍市長は「平和を考えるきっかけになれば」とし、今後も同国との交流を継続する方針を固めた▼駒ケ根市ではJICAの事業委託を受けた民間組織「ネパール交流市民の会」が長年、ネパールで産前産後の母と子の命を守る活動を続ける。医療施設、人材育成、システム構築などの総合的な支援をした結果、乳児と妊産婦の死亡率が大幅に下がった▼この事業では、長野県内の人たちが毛糸の帽子を手編みし、ネパールの新生児へ贈る取り組みをする。帽子を贈られた親は喜び、その喜ぶ顔を写真で見た日本の贈り主たちもまた喜ぶ。遠く離れた人と人が感覚的には至近距離で実効的な交流をする。外国との交流が実は身近にできることも示した。同会は、これを国際交流ならぬ「民際交流」と呼ぶ▼南スーダンの選手たちは今月下旬に帰国する。紛争が続く母国と歓待を受けた日本を比べてどう思うだろう。今回の合宿が民際交流のきっかけになればと願う。

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