活発な論戦に意義 諏訪地方4年8カ月ぶり選挙戦

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任期満了に伴う富士見町長選は、現職の名取重治氏(70)=木之間=が、新人で元副知事の中島恵理氏(48)=乙事=を破り、再選を果たした。諏訪6市町村で首長選が選挙戦になったのは、2016年11月20日の下諏訪町長選以来、4年8カ月ぶりとなった。無投票が続く首長選に一石を投じた富士見町。選挙を通じた活発な論戦に意義を見いだす声が聞かれた一方、他市町村の首長選に波及するかは不透明な情勢だ。

まちづくりを考えるきっかけ

富士見町長選が選挙戦になったのは8年ぶり。前回の無投票初当選から一転、厳しい選挙戦を勝ち抜いた名取氏は、「選挙戦になったこと自体が町の中の活性化につながった。町の将来に関するさまざまな議論が巻き起こり、普段の町政運営では拾いきれないさまざまな切り口からの声が聞けた」と振り返った。
中島氏も「(選挙戦になり)住民がまちづくりについて考えるきっかけになったと思う」と語った。名取氏は「(中島氏の政策について)参考になるところがいっぱいある。みんなでチームを組んで、みんなの知恵で行政を進めていきたい」と話す。

周辺市町村の受け止めは

周辺市町村では富士見町長選をどう受け止めたのか。
茅野市の今井敦市長の支援者は「行政運営に対して住民が明確に意思表示できるのは選挙しかない。選挙戦になったことは良いことだ」と評価する。他方で「自治体の財政はどこも厳しい。扶助費などの義務的経費が増える中で限られた予算をどう使うのか。首長を誰にするかという選択はますます大事になってくる」と強調した。

出馬しやすい環境考える必要

首長選に出馬経験のある男性は「今の首長選は行政や議員の経験者しか立候補できない」と語り、国や県とのパイプ、実績が重視され、交付金頼みや行政任せの風潮を嘆く。「自分のまちの将来をどうしたいのか。諏訪に生まれ育った人が課題解決を語り合う選挙であってほしい」とし、民間主導、行政支援のまちづくりへの転換を願った。
無投票が3回連続で続く岡谷市。共産党市委員会などでつくる「民主市政をつくる市民の会」事務局の今井秀実市議は、「どんな立場の人でも選挙に出やすくなるにはどうすればいいのか、出馬しやすい環境を考える必要がある」と指摘する。
「公約を出して選挙に臨んだ。公約の達成に向かって努力している」。こう語るのは、県議時代を含めて3回連続で無投票当選した諏訪市の金子ゆかり市長だ。市長宛てに届く意見全てに対応しているが、選挙以外で「声なき声」を受け止める難しさを感じている。「議会の意見や要望を聞きながら事業を進めている」と語り、市民の代表である議会の審議を尊重する姿勢を強調した。

統一地方選の2年後どう影響

前諏訪市議会議長の伊藤浩平市議は「政治はもっと身近で、暮らしに直結していることを知ってほしい」と述べ、富士見町長選で高まった関心が2年後の統一地方選にどう影響するかを注目する。市町村議を含めた政治家のなり手不足解消に期待を寄せた。

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