下水処理能力超える大雨 2日間改善せず

LINEで送る
Pocket

下水道管から集まった汚水をくみ上げているポンプ。最大処理能力を超える汚水が集まり、一部が逆流してトイレの不具合などが続いた

前線による諏訪地方の14、15日の大雨で、下水道管に大量の雨水が入り、諏訪市内でトイレの水が流れない不具合が16日まで続いた問題。県諏訪湖流域下水道豊田終末処理場(クリーンレイク諏訪)に取材すると、14日昼すぎから処理能力の上限である1時間当たり1万立方メートルに引き上げたが、状況が改善しないまま16日午後3時ごろまで厳しい状況が継続していたことが分かった。同下水道事務所管理課は「こんなことは二度と起こさないようにしたいが、大雨が降れば同様の事態は起こりうる」とする。

■それまでの観測1位記録上回る

同処理場では諏訪地方と北佐久郡立科町の一部の汚水処理を行っている。下水道幹線から同処理場に流入する汚水は、流入渠と呼ばれる水路から流水中の土砂を沈めて取り除く沈砂池を経てポンプからくみ上げる。流入渠には水位計があり、平時は1~2.5メートルの深さとなるよう調節しながらくみ上げている。この際の処理量は1時間当たり4000~5000立方メートル。

ところが、14日昼前から水位はみるみる上昇し、午後0時45分には最高位近くの9メートルに達した。「9メートルを超すと、下水はそれ以上ほとんど入りきらなくなり、結果、逆流を始める」(同処理場)。これまでの経験では処理能力を上げれば最大能力にする前に水位は下がった。「水位が下がらない状態がいつまで続くのか」。施設内では職員が祈るような気持ちで水位計の行方を見つめる時間が長く続いたという。

気象庁の記録によると、諏訪の1時間ごとの降水量は13日午前6時に2.5ミリを観測。その後断続的に降り続き、午後9時に13ミリとなった。同日午前6時から水位が9メートルを超えた直後の14日午後1時までの総雨量は148ミリ。24時間降水量は同日、201.5ミリを観測し、それまでの観測史上1位の記録を83ミリも上回った。

■平時の倍以上が短期間に流入

水位は16日未明になってようやく少しずつ下がり始めた。市水道局によると、16日までに寄せられた市民からの問い合わせは計117件。諏訪市城南に住む40代の女性は「トイレの水の流れが悪くて時々ゴボゴボとなったりして怖かった」と振り返った。

同処理場が推定する流入下水の急増は冠水した道路上のマンホールの隙間や老朽化した下水道管のつなぎ目からの浸入が原因という。今回の大雨で、事業所や家庭などから平時の排水の倍以上の雨水が短期間に流入したことになる。

■下水道管の早期改善求められる

下水道管の老朽化を受け、県は今年度、流域市町村と共同で雨水が多く浸入する場所などを調査する計画を進めている。管の内側にプラスチック製の内張りをする工事を進め、流入対策を進めていく方針だ。ただ、「一度に一気に対策工事を進めるのは予算的にも難しい」と同事務所。1979年10月に供用を開始した同処理場は県流域下水道の中で最も古い施設。供用前に敷設した下水道管も老朽化が進んでいる。

雨の降り方が大きく変わってきた今、予算の制約はあるとはいえ、できるだけ早い改修への対応が求められる。

おすすめ情報

PAGE TOP