2021年9月4日付

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熱戦が続く東京パラリンピックも最終盤を迎えている。選手たちが全身全霊をかけてプレーする姿に、胸を打たれる人も多いだろう。個人的に注目している種目はボッチャ。障がいの有無を問わず、誰もが一緒に楽しめるからだ▼ヨーロッパ発祥のボッチャは、目標球へボールを投げて得点を競う。重度の脳性まひや四肢障がいの人でも介助者や補助器具を付けてプレーできるよう考案されており、「パラスポーツの象徴」と称される▼おととし県や福祉団体が初めて企画した、ボッチャ大会の南信予選を取材した。初心者の小中学生や高齢者、障がい者福祉施設の利用者らいろんな人が集まり、団体戦でボールの行方に一喜一憂。敵味方を超えて声援を送り、健闘をたたえ合う光景は「分け隔てない」という言葉そのものだった▼さかのぼること半月、大会開催地の辰野町の小学生が授業でボッチャを体験した。何度か投げさせてもらったが、狙ったポイントにボールが落ちない。シンプルゆえに奥が深い。夢中で取り組み上達していく子どもたちの笑顔が、体験に勝るものはなし―と物語っていた▼自国開催のパラリンピックは、われわれに何を問い掛けているのか。まずは関心を持つことが肝要である。選手たちの活躍がパラスポーツの体験機会を生み、障がいや年齢、性別、国籍などの垣根がない共生社会をつくるきっかけとなるよう、願うばかりだ。

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